合鍵を作りたいと思っても、鍵の種類によっては簡単に作れなかったり、費用が高くなったりすることがあります。これは、鍵の種類によって構造の複雑さや複製に必要な技術・設備が異なるためです。ここでは、鍵の種類ごとに合鍵作製の難易度がどのように変わるかについて解説します。まず、最も一般的なのは「ディスクシリンダーキー」や「ピンシリンダーキー」と呼ばれる、鍵の側面にギザギザの刻みが入ったタイプの鍵です。これらの鍵は構造が比較的単純で、多くの街の鍵屋さんやホームセンターに置いてある合鍵作製機で容易に複製が可能です。使用するブランクキーも汎用的なものが多いため、短時間かつ比較的安価に合鍵を作製できます。合鍵作製の中では最も難易度が低いと言えるでしょう。次に、「ディンプルキー」です。鍵の表面に複数の深さの異なるくぼみ(ディンプル)があるのが特徴です。ピッキングに強く、防犯性が高い鍵として普及しています。ディンプルキーの合鍵作製は、ディスクシリンダーキーなどと比べて難易度が格段に上がります。複製には高精度な特殊機械と専門的な技術が必要となるため、対応できる店舗が限られます。また、メーカーによっては鍵番号からの純正キー取り寄せが必須となる場合が多く、時間も費用もかかります。合鍵から合鍵を作ることは精度が落ちるため推奨されません。「ウェーブキー」も防犯性の高い鍵の一つで、鍵の側面に波状の溝が掘られています。これもディンプルキーと同様に、複製には特殊な機械と技術が必要となり、対応できる店舗は限られます。合鍵作製の難易度としてはディンプルキーに近いと言えるでしょう。その他にも、「マグネットキー」や「スライドキー」、「カードキー」など、様々な種類の鍵があります。マグネットキーは鍵の内部に磁石が組み込まれており、磁力のパターンで施解錠します。スライドキーは鍵の側面にスライドする部品があります。これらの特殊な鍵は、さらに複製が難しく、メーカーに直接注文するか、メーカーの正規代理店に依頼するのが最も確実な方法となります。街の鍵屋さんで対応できるケースは非常に稀です。また、古いタイプの鍵や、海外メーカーの特殊な鍵なども、対応できるブランクキーが入手困難であったり、複製できる業者が少なかったりするため、合鍵作製が難しくなる場合があります。
鍵の種類で変わる合鍵作製の難易度