手軽に引き戸のセキュリティを向上できる穴あけ不要の鍵ですが、選び方や使い方を間違えると、期待した効果が得られなかったり、かえって不便になったりすることもあります。失敗しないための注意点をいくつか押さえておきましょう。まず、購入前に必ず「自宅の引き戸の仕様を確認する」ことです。引き戸の材質(木製、アルミ製、ガラス戸など)、厚み、框(かまち)の幅や形状、戸と戸の隙間、戸と壁の隙間などを正確に測定し、製品が対応しているかを確認します。これを怠ると、購入したものの取り付けられない、という事態になりかねません。次に、「取り付け位置を慎重に検討する」ことです。鍵の操作がしやすく、かつ引き戸の開閉や他の建具に干渉しない位置を選びましょう。特に両面テープで固定するタイプの場合、一度貼り付けると剥がすのが難しかったり、剥がした跡が残ったりすることがあるため、仮止めをするなどして位置を十分に確認してから本番の貼り付けを行うのが賢明です。また、「取り付け面の清掃と脱脂を徹底する」ことも重要です。特に両面テープタイプの鍵は、取り付け面にホコリや油分が残っていると接着力が著しく低下し、すぐに剥がれてしまう原因になります。アルコール系のクリーナーなどで丁寧に清掃し、しっかりと乾燥させてから取り付けましょう。さらに、「製品の耐荷重や耐久性を確認する」ことも大切です。安価な製品の中には、強度が低く、簡単に壊れてしまうものもあります。レビューなどを参考に、ある程度の耐久性が見込める製品を選びましょう。そして、「過度な期待をしない」ことも肝心です。穴あけ不要の鍵は、あくまで補助的な防犯対策と捉え、これだけで万全とは考えないようにしましょう。より高い防犯性を求める場合は、他の対策との組み合わせや、専門業者への相談も検討すべきです。これらの注意点を守り、慎重に製品選びと取り付けを行うことで、穴あけ不要の引き戸鍵を効果的に活用することができるでしょう。
穴あけ不要引き戸鍵で失敗しないための注意点