それは、週末のまとめ洗いも終盤に差し掛かった、穏やかな日曜の昼下がりのことでした。最後の洗濯が終わり、軽快な終了音がリビングに響き渡ります。さあ、干してしまおうと洗濯機に向かい、いつものようにドアハンドルに手をかけた瞬間、異変に気づきました。カチリとも言わないのです。青梅市水道局指定業者が排水口の漏水で水道修理するとロックが解除されない。ガラス越しに見えるドラムの中では、洗い終えたはずのタオルたちが、まるで湖に浮かぶ小島のように、たっぷりの水に浸かったまま静止していました。ディスプレイには「排水エラー」の無池田でトイレのトラブルを解決する専門チームとしては慈悲な文字。私の平和な休日は、この瞬間、終わりを告げたのです。 頭が真っ白になりながらも、まずは洗濯機を止めようと電源ボタンを押しましたが、うんともすんとも言いません。ドアは固く閉ざされ、中の洗濯物は人質ならぬ「物人質」状態。途方に暮れながらスマートフォンを手に取り、「ドラム式 水が抜けない 開かない」と震える指で検索すると、同じような悲劇に見舞われた人々の阿鼻叫喚の声が、画面の向こうから聞こえてくるようでした。しかし、その中には希望の光もありました。多くの記事が指し示していたのは「糸くずフィルター(排水フィルター)の掃除」という、一筋の光明だったのです。 説明書を引っ張り出し、ネットの情報と照らし合わせながら、私は人生初の「強制排水」に挑むことを決意しました。まず鉄則として電源プラグを抜き、感電の恐怖から我が身を守ります。次に、決壊したダムのごとく水が溢れ出す事態を想定し、ありったけの雑巾と洗面器、バケツを洗濯機の下部に配置。まるで水害対策本部の様相です。本体の右下にある小さなカバーを爪でこじ開けると、そこには固く閉ざされた丸いキャップ、諸悪の根源と噂の「糸くずフィルター」が鎮座していました。ゴクリと唾を飲み込み、キャップをゆっくりと、本当にゆっくりと反時計回りに回していくと、隙間からチョロチョロと水が漏れ出してきました。「来た!」と心の中で叫びながら、その濁流をバケツで受け止めます。水量は想像以上で、バケツはあっという間に満杯になり、何度もトイレに往復する重労働となりました。 ようやく水の勢いがなくなり、フィルターを完全に取り外した瞬間、私は言葉を失いました。そこには、数ヶ月分の洗濯が産み出した、黒くぬめった芸術作品とでも言うべき、髪の毛と糸くずの塊がびっしりと詰まっていたのです。ポケットに入れたまま洗ってしまったティッシュの残骸や、どこから来たのか分からない小さなプラスチック片も混じっていました。これではポンプが水を吸い上げられるはずもありません。原因を確信した私は、ゴム手袋をはめ、鬼の形相でその汚れを掻き出し、洗い流しました。フィルターを元通りに固く締め、床を拭き、息を整え、再び電源プラグを差し込みます。祈るような気持ちで「脱水のみ」のコースを選択し、スタートボタンを押しました。すると、ウィーンという優しいモーター音と共に、残っていた水が勢いよく排水され始めたのです。そして、全ての工程が終わり、カチリと軽快な音を立ててドアのロックが解除された時、私は心からの安堵のため息をつきました。 この一件以来、我が家では月末の日曜日を「糸くずフィルター掃除の日」と定めました。ほんの数分の作業を怠ったがために、あのようなパニックと重労働に見舞われるのです。もしあなたの家の洗濯機が沈黙したなら、業者を呼ぶその前に、一度、本体の右下にある小さな扉を開けてみてください。そこにはきっと、あなたの手で解決できる問題が、静かに助けを待っているはずです。
我が家のドラム式洗濯機が沈黙した日